ザックで荷物を軽くする
弱い体でも、工夫すれば山に登れる。
登山やハイキングには不向きだと思っていました。
アレルギーや気管支炎による咳・くしゃみ、体に残るケガの後遺症…。実際、今回の富士登山の話も、最初は「迷惑をかけるかもしれない」と断ろうとしていたほどです。
10年ほど前にアレルギーが原因で気管支炎喘息になって以来、慢性的な咳とアレルギー性鼻炎に悩まされてきました。空気のきれいな山では不思議とくしゃみが減るものの、息が上がると咳が止まらなくなるため、水は常に手放せません。
また、バイク事故で鎖骨を3度骨折しており、リュックを背負うだけで左鎖骨が痛み出します。さらにスキーで痛めた膝は屈伸10回で一日中痛みが残り、日常でも立ち仕事の影響で右腕のしびれや首の張りにも悩まされています。
――こんな体では山に登るのは無理だ。そう思っていた私が、試行錯誤の末に出会ったのが「装備の力」でした。
ここでご紹介するのは、そんなボロボロの体でも山を歩くために、実際に使って「これは本当に助かった」と感じたアイテムたちです。いわば、“文明の利器”たちです。
ただし、どんなに優れた道具でも、「持っているだけ」で効果が出るわけではありません。
- 製品の正しい使い方を理解すること
- できる限り、体を慣らしておくこと
この2つを意識することが、装備の力を引き出す前提になります。
ザックで荷物を軽くする

登山ではリュックのことを「ザック」と呼びます。一般的にはリュックサックやバックパックを指し、特に登山やハイキングの文脈で使われることが多い言葉です。「ザックには何を詰めるか?」「ザックの中身は足りているか?」といった具合に、装備全体の中心となる存在です。
ザックのタイプと特徴
ザックは大きく分けて以下の2種類があります:
- 肩で背負うザック
- 腰で背負うザック
肩で背負うザックの特徴
- 軽量でコンパクト
- フレームがない、または柔らかい
- 背面の通気性は製品によりまちまち
- 重さがすべて肩と背中にかかる
腰で背負うザックの特徴
- 腰ベルトで荷重を分散できる
- 長時間背負っても疲れにくい
- 背面にフレームやパッドがあり、安定感が高い
- 本体重量はやや重め
登山装備は軽く見えても、レインウェア、ファーストエイド、水分、行動食、モバイルバッテリーやヘッドライトなどを加えると、5〜8kgほどの荷物になることが多いです。
私のように首や肩に痛みや不安がある人にとっては、たとえ20L前後のザックであっても腰で背負えるタイプを強くおすすめします。荷重が分散され、肩や首への負担を大幅に軽減できます。
軽量化と背負いやすさのバランス
最近ではUL(ウルトラライト)志向のザックも増え、フレームレスで非常に軽いモデルも登場しています。ただし、軽さを優先しすぎると、逆に体への負担が大きくなることもあります。
私が色々と試した結果、30L以下でも腰でしっかり背負えるザックとして実用的だったのは以下の製品でした(※リンクはAmazon購入ページ・ポイント還元情報付き):
特にオスプレイは20〜30Lの間でサイズバリエーションが豊富で、背面長や体格に合わせて選ぶことができる点が魅力です。
私自身は、最後までタロンと迷いましたが、ズール30の方が背面長がしっくりきて、しっかりと腰ベルトを締められたため、こちらを選びました。実際に使ってみると、荷物の重さを「背負っている感」が格段に軽減され、本当に快適に歩けるようになりました。