PETGでベルトテンショナーを作成、その後に起きたトラブルと解決までの道のり

PETGで自作したベルトテンショナーを組み付けた直後、ノズル詰まりが発生しました。
前回よりも重篤な予感がし、まずはノズル温度を285度に設定してフィラメントが溶けるか試しましたが、効果なし。
仕方なく、ノズルを緩めて一度プレヒート→クーリングを行い、ホットエンドを分解しました。
結果、詰まりの原因はヒートシンク内のPTFEチューブのノズル寄り部分にありました。
二次災害発生!火花が散った作業ミス
ノズルを再び組み直して増し締めを行う際、電源を切らずに作業していたところ、モンキーレンチがホットブロックのヒーターやサーミスタに接触し、火花が散りました⚡︎
これはもう、不安しかありません💦
その後、一通り組みキャリブレーションを始めると、動きには問題がないもののホットエンドのテスト時に再起動する問題が発生。
その後、プレヒートやノズル温度を上げたときも同様に再起動が起きるため、ショートが原因で壊したの決定。
火花が散った場所から見てノズルに近いサーミスタが怪しいと思いました。
テスター初心者の悪戦苦闘と部品探し

原因探しや故障箇所の捜索はテスターですよね💦
慣れなくて、手探りなんですがネットで調べたところ、「再起動の原因はヒーター、サーミスタ、またはマザーボードの故障が考えられる」との情報を発見。
慣れないテスターを使用し、通電確認を行いました。ヒーターは通電OKでしたが、サーミスタには反応がありませんでした。
通電していない=断線ということで「サーミスタが故障している」と判断し、PRUSA公式やAmazon、AliExpressで部品を探し、最速で届くAmazonに注文しました。しかし、届いたサーミスタも通電せず、故障品だと判断して返品。AliExpressでサーミスタを探すも、不安な口コミもあり躊躇しましたが、ヒートエンドのKitに高評価の商品を見つけ注文を入れましたが、こちらも到着まで1週間かかるとのこと。どこに注文しても時間がかかり、手探り状態で途方に暮れていました。1週間待てずアマゾンで評価の高いサーミスタも再注文。数日後アマゾンが届きサーミスタをテストするも通電反応無し。その後届いたAliExpressのサーミスタも通電は確認出来ませんでした。
通電しない=故障だと思っていましたが、評価の高い商品も反応が同じだと、どれを信じて良いのかわからなくなってきました。
PRUSA公式部品を選んだ理由

試行錯誤の末、公式部品を注文することにしました。その理由は以下の3つです:
- 公式サーミスタで正常な状態を確認したい
他のサイトで購入した部品の品質が不明だったため、信頼できる公式部品を基準にしようと決断。 - 製作が長期間止まっている焦り
約2週間もプリント作業ができず、精神的に追い詰められていたこと。 - 最速での解決を目指して
お金を払えば2〜3日で届く公式の高速配送サービスを利用できると知ったため。
また、ついでにRaspberry Pi Zero for PrusaLinkも購入し、合計約2万円(133ドル)を支払いました。
価格は高いですが、当時の精神状態では仕方ない判断でした。
新たな知識:「サーミスタの抵抗値確認」
PRUSA公式の注文で2〜3日で届くと言うのが決め手でもあったのですが2日立っても発送すらされず、もう少し他の情報もないかと探していたところ、「サーミスタは通電だけではなく抵抗値を測るべき」という記事を発見。
通電確認だけではなく、抵抗を測ることも重要と知りました。
- PRUSA純正サーミスタの抵抗値
冷えた状態で80kΩ〜125kΩが正常。
改めて測定すると、手持ちのサーミスタは正常な値を示しており、原因はサーミスタではないことが判明しました。
犯人はヒーターだった!
サーミスタが問題無いと言うことは、通電確認は取れているけど、抵抗は計っていなかったヒーターを再チェック。
抵抗値はテスターを200Ωモードで12.3〜15.1Ωが正常値とされていますが、ウチのヒーターは明らかに低い値を示していました。
つまり、問題はヒーターだったのです。
まだ発送されていないPRUSA公式の部品をキャンセルしました。
AliExpressで購入したホットエンドキットのヒーターはどうなのかと抵抗値をテスト。
正常値でした。
細かいところにきをつけ交換作業を実施しました。
復旧までの道のりと教訓
新しいヒーターを取り付けた後、以下の確認を行いました:
- プレヒート:問題なし。
- ノズル温度285度:正常動作を確認。
- ノズルの増し締め:今回は電源を切り、ケーブルを抜いて慎重に作業。
結果、トラブルを無事解決できました。
学んだこと
- 原因特定の重要性
通電確認だけでなく、抵抗値を測ることがトラブルシューティングに役立つ。 - 公式部品の価値
公式は発送までにも時間がかかる。アマゾンで同じものがあれば口コミなども確認して購入もあり。 - 安全作業の基本
作業の時は電源を切り、ケーブルを抜くことが電気系トラブルを防ぐために必須。 - ノズル交換や詰まりの修復はしっかり締め込みが大事
ホットエンドブロックまわりのヒーター、サーミスタ、ノズルを締める、緩める際はヒートシンクのとのつなぎ目でブロックが緩みまわってしまうこともあります。緩んでまわったと言うことは、ヒートブロックで締め込んでいるノズルとヒートブレイクに緩みがでたと言うことだと思うんです。この緩みを気にせず組んでしまうとノズルとヒートブレイクのシール効果が半減しノズル詰まりになる原因ともなります。ノズルを締める際にヒートブロックも緩みの無い状態で組むことが大切だと思いました。
参考資料
正常な抵抗値
- ホットエンドヒーター: 通常、抵抗値は 12.3 Ω から 15.1 Ω の範囲にあります。
- サーミスタ: ホットエンドのサーミスタは、室温で 80 kΩ から 125 kΩ の抵抗値を示すべきです。
測定方法
抵抗値を測定する際は、以下の手順を守ることが重要です。
- 部品が冷えている状態で測定を行う。
- プラグを抜いた状態で測定する。
- マルチメーターを適切な設定(ホットエンドヒーターの場合は200Ω、サーミスタの場合は200kΩ)に調整する。
これらの値が正常範囲内でない場合、ヒーターやサーミスタに問題がある可能性がありますので、交換や修理を検討する必要があります。
予備のホットエンドを買っときます
サーミスタは在庫が出来てしまったので、当分安心ですがヒーターは予備がないので、ひとつ買っておきます。
- 【参考】ホットエンドヒーターカートリッジ 24V 40W (1個)